変形菌は、倒木、切り株、落枝、落葉、枯れ草、落下した花や果実などの植物遺体に発生するのが普通であるが、植物遺体以外にも見られ、ウサギ、シカ、ウマなどの草食動物の糞にも発生することが報告されている。生きた木の樹皮の上にしか発生しない変形菌も多く知られている。また、アメーバ運動をして移動する変形体が岩石や、生きた植物、キノコなどにはい上って子実体を形成していることもある。
変形菌は、水分と餌とある程度の温度が満たされれば一年中発生するといえる。日本において最も多種、多量に発生するのは、梅雨の後半の晴れ間や梅雨明け頃である。盛夏になると乾燥するために発生が少なくなる。秋から冬にかけての時期は、春から夏にかけて発生する種類とは異なった変形菌が見られ、大きな腐木に発生することが多い。春から夏の雪解けの頃、高山の雪線付近に好雪性の変形菌がしばしば大発生する。
変形菌の分類学的研究はキノコと同様に子実体の形質の比較に基づいて行われており、国立科学博物館所蔵の変形菌標本はすべて子実体を熱処理で乾燥して作成された乾燥標本で、それぞれが小形の標本箱に納められ、学名のABC順に配列されている。2003年4月現在、約41,500点が保管されている。これらの標本データは、一部を除いて当館のホームページに順次公開していく予定である。